こんにちは!都筑区仲町台の歯科、あおぞら歯科クリニック院長の池田智之です!

我々の医療界では
「後医は名医」
という格言があります。

現代医学(≒西洋医学)において
もっとも重視されるのは「診断」です。

なぜなら現代医学においては、
診断さえ決まれば治療方法はおのずと決定するのであり
またそれを誰がやっても一定の結果がでるものとして
体系立てたものこそが現代医学そのものだからです。

旧くは歯の中に住む悪魔が暴れるのを
祈祷師が祈りによって沈めることが
治療であると信じられていた時代。

そこに診断はなく、おそらくどのような病でも
治療手段は「祈り」であり、当然位の高い祈祷師の「治療」の方が
よく効くものであったに違いありません。

現代医学は万能ではありませんが
少なくとも先達たちの知識や技術を蓄積し、
体系だてて次世代に継承できる点においては
現時点での最善の手段であることに疑いの余地はないでしょう。

一見なんともないレントゲン像にみえるこのケース。

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噛むとなんとなく歯が痛い気がするが
激痛ではなく、気になるという程度。
たしかにすこし深めの修復物が入っていますが、
果たしてもし私が最初の担当医だったら、
前医と同じ轍を踏まない保証があるでしょうか?

このような深い修復物は時として、長い時間の経過の後、
神経の自然死という結果に終わる場合があります。

麻酔をせずに歯を削っていくと
案の定、神経の空間に達しても知覚はありません。
神経が壊死しているということです。

しかるべき洗浄の後、ガッタパーチャ(過去ログ参照)にて
緊密に封鎖して治療は終了です。

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後医には「ハズレくじ」が除かれた選択肢が残ります。
それが「後医は名医」といわれるゆえんです。

あおぞら歯科クリニック