こんにちは!都筑区仲町台の歯科、あおぞら歯科クリニック院長の池田智之です!

医療においてもっとも重要なことは
正しい診断を下すこと
であると考えています。

診断が決まれば
おのずとそれに対する治療が決まるからに他なりません。

一般の歯科臨床において、この診断は
実際の患者さんの言葉、すなわち問診によって
80%は下すことが可能だと思っています。

だから私は問診に時間をかける方ですし
その診断をより確かなものにするために
レントゲン等の各種検査をもって確度を高めていくわけです。

しかし年に何例かは
その場で診断が付けられないケースが存在するのも確かです。

たとえばこのケース。
破折前.jpg

数日前より奥歯に痛みがあるとのこと。
強く噛むと痛いことがおおいらしく
普段はあまり気にならないらしいのです。

レントゲンを撮影しても虫歯はないし
コレといった原因が見当たりません。
しいて言えば歯周ポケットが多少深いという程度でしょうか。

骨格がしっかりした顔立ちをしたこの患者さんは
ご自分でも夜間就寝中に歯軋りがあることを自覚しており
それによって一時的に歯に捻挫のような症状が
でているのかもしれないと考えられました。

だとするならば治療は歯軋りとそのダメージを緩和すること。
すなわちかみ合わせの微調整やスプリント療法となります。
少し経過を観察し、症状の軽減がなければ
そのような治療へと進んでいくことにしました。

・・・ところが

しばらくして歯ぐきが腫れてきたとの事で
急患連絡をいただきました。

確かにあの歯の周囲の歯ぐきが腫れているのです。
これは明らかに周囲に細菌感染が起きている証拠。

そこでよくよく歯を見てみると・・・
破折線.jpg

歯にうっすらとヒビが確認できます。
そうか。あのときの症状はこのヒビが原因だったのか。

麻酔をせずに銀歯を除去し
どんどん奥へ進んでいくとやはり
神経は壊死し、黒く変色していました。
髄空開放.jpg

件のヒビはやはり
神経の空間にまで達しており
ここが感染経路となって
神経が壊死していたのです。

Oh, God.

コレだから診断は難しい。

日々(ヒビ)是決戦であります。

あおぞら歯科クリニック